喫煙によるお口の環境悪化を理解しましょう

皆さんこんにちは。
神保町駅から徒歩3分、神保町ガーデン歯科でございます。

 

喫煙は「百害あって一利なし」とは、どなたでもご存知だと思います。
これはお口の健康にも言えることです。

今回は、タバコとお口の健康についてお話しいたします。

 

タバコが関係するとされるお口の病気

喫煙することにより、お口の中の発がんのリスクは増加します。
これは、タバコに含まれる発がん物質のタール、いわゆる「ヤニ」が歯に付着することが原因です。
口腔ガンは男性に多く、舌、歯肉、口底、頬の粘膜などに発症します。
発症率は喫煙しない人の3倍高くなり、飲酒しながらの喫煙はさらにリスクが高くなります。

口腔ガンの前兆に、歯ぐきやお口の粘膜が白っぽくなる「白板症」というものがあります。
これは、非喫煙者の約6倍も高く発症し、悪性化してガンになることもあります。

ほかにも、喫煙習慣があると口臭も気になるようになるほか、10年間で歯を失う数も喫煙者の方が2~3倍多いと言われています。

 

タバコと歯周病の関係

1日に吸うタバコの量が20本以上の方の場合、30才以降に歯周病にかかる確率が、吸わない人に比べて約5倍増加することがわかってきました。

喫煙は、ニコチンの作用によって毛細血管を収縮させてしまいます。
その結果、毛細血管の血流が悪くなり、同時にタールが歯や歯ぐきに付着することで、歯周組織の細胞の持つ炎症を治す働きが弱くなります。

タバコは、身体の免疫能力を低下させるだけではありません。
歯周病菌の毒性を高め、身体を守る働きや、自己修復する働きも弱めてしまいます。
さらに歯周ポケットが浅い場合でも、その中でも病原性の高い歯周病菌が繁殖するリスクが高くなります。

このように、タバコは気管や肺などの器官への悪影響だけでなく、毛細血管の循環障害、免疫能力の低下、歯周組織の細胞への影響、そして細菌への影響と、非常に多くの要因でマイナスの影響を与えます。

 

禁煙をおすすめする理由

当院が、歯周病の治療を行う際に禁煙をおすすめしている理由は、せっかく治療しても喫煙の習慣があるままだと、細胞間の自己修復作用が低く、免疫作用も低下しているため、いくら治療をしてもなかなか改善していかないためです。

禁煙をすると、歯ぐきの血液量がわずか数週間と短期間のうちに、喫煙しない人のレベルまで回復します。
歯周病に対するリスクを完全になくすには、禁煙してから2〜10年を要しますので、早く始めるに越したことはありません。

 

まとめ

このように、タバコに含まれるニコチンやタールは、お口の健康にとっても「一利なし」なものです。
今は病院に「禁煙外来」もありますので、そのような力を借りての禁煙も可能です。
禁煙して、お口も身体も健康を保っていきましょう。